ダイソーのBluetoothワイヤレスイヤホンを分解してパーツ取り
ダイソーでBluetoothワイヤレスイヤホンが300円で売ってました。
Bluetoothワイヤレスオーディオの機能があり、小型のスピーカーとマイク、リチウムポリマーバッテリー、Bluetoothレシーバーなどの部品を取る事ができ、部品取りデバイスとしてはなかなかお得だと思います。
分解手順と、主要パーツの解説、Bluetoothオーディオレシーバーへの改造方法はこちらの動画を御覧ください。
ダイソーのBluetoothワイヤレスイヤホンを分解してパーツ取り
製品レビューはいろんな方が挙げられているのでこちらを参照ください。
ダイソー 300円 Bluetoothワイヤレス片耳イヤホン その大嘘を暴く!?
最後に、今回の分解、動作確認で使ったパーツ一覧を載せておきます。
・オーディオD級アンプ
・TP4056充電モジュール
・絶縁型DCDCコンバーター
・18650リチウムイオンバッテリー
・18650リチウムイオンバッテリー用ホルダー
・抵抗
100均クリスマスツリーをイルミネーションLEDとメロディICで豪華にする工作
5年ほど前、100均(たぶんダイソー)で100円のクリスマスツリーを購入。毎年12月になると、職場の入り口に飾ってました。このままでも小さくてかわいいのですが、イルミネーションLED(1個40円)とサウンドIC(1個170円)を使ってアップグレードしてみました。 フルカラーで色をゆっくり変化させながら綺麗に光るLEDと、25曲のクリスマスソングを楽しめる豪華なツリーができました。
目次
- 目次
- こんなふうに動きます&作り方の概要
- ベースとなる100均クリスマスツリーと加工
- クリスマスサウンドICの制御基板の設計
- イルミネーションLEDの設計・実装
- サウンドICとイルミネーションLED回路の結合
- LED・サウンド 制御基板の実装
- 制御ボックスの加工と実装
- クリスマスツリーの装飾
- 電源アダプタの用意
- まとめ
- 主要なパーツリスト
こんなふうに動きます&作り方の概要
動作の様子と作り方のダイジェストは次のビデオを御覧ください。
100均パーツで作るイルミネーション&メロディ付き電子クリスマスツリー
ベースとなる100均クリスマスツリーと加工
5年ほど前に100均(たしかダイソー)にて100円で買ってきた小型のクリスマスツリーをベースに使いました。
このままでもかわいいのですが、ただの置物です。
まずは、加工をするためにツリーと植木鉢になってるパーツを分離します。
根本を見ると、ツリーと植木鉢パーツはホットボンドで接着されていました。
どうやって加工するか根本を曲げたりしてたところ、バキッと折れて穴が空きました・・・。
穴埋めとツリーの固定用にタミヤのエポキシパテで土台のパーツを作りました。
1~2日で固まりますので、ネジ穴(直径3mm)を2箇所空けてしっかり固定できるようにしました。
後ほど、イルミネーションとサウンド制御用基板・スイッチ類を実装する箱も、3mmのボルト・ナットを使い、このネジ穴を貫通させて固定します。
クリスマスサウンドICの制御基板の設計
クリスマスサウンドを流すために、「HK326-2」というサウンドICを使いました。秋月電子通商で2020年10月現在、1個170円で購入できます。25曲のクリスマスソングが入っていて、再生モード選択、再生状態LED制御なども可能です。特にマイコンは付けずに、このICだけで今回の作品を作りました。
メロディICの回路はこちらです。
回路図データはgithubに公開していますので、拡張される方はご利用ください。
この回路図に加え、最終的にはイルミネーションLEDを8個並列でつなぐので、電流変化に耐えるためにバイパスコンデンサ(47μF)をIC電源近くに実装しています。
ブレッドボードへの実装例はこちら。
このテスト回路でテストしている様子はこちらの動画でご覧いただけます。
クリスマスソング25曲入りIC「HK326-2」サンプル実装と連続再生テスト
イルミネーションLEDの設計・実装
次に、クリスマスツリーの電飾用のイルミーネーションLEDの設計です。
設計と言っても、電源を投入するだけで使えるマイコン内蔵のイルミネーションLEDがありましたので、こちらを使用しました。
秋月電子で、2020年10月現在、1個40円で購入できます。
マイコン内蔵ということでどこまで制御しているのかはデータシートから読み取れませんでしたが、テストで動かしてみたところ、電源直接接続だと定格以上の電流が流れてしまうようで、通常のLEDと同じく電流制限抵抗を付けたほうが良さそうです。今回は電源を5Vとしたので定格の20mAに抑えるように220Ωの抵抗をそれぞれのイルミネーションLEDの前段に実装しています。
ブレッドボードへの実装例はこちら。
電源に並列で好きな数のLEDを実装できます。(もちろん、LEDの数だけ電流が流れますので相応の電源がいります。)
今回は小型のツリーなので8個並列にしました。今回の構成だと5V印加で50mAぐらいの電流で収まるようです。
このLEDをツリーの装飾に使うために、動線を接続します。また、ツリーに巻きつけてショートしないように、電極は収縮チューブで保護しておく必要があります。
今回は、ツリーの飾りにもなり取り回しもしやすいエナメル線を使いました。
導線をイルミネーションLEDの電極に巻きつけたあと直接はんだ付けし、不要な線をカットして収縮チューブで保護、という手順で加工します。
エナメル線は電飾LED接続用なので導線の抵抗値も気にしなくても良く、ツリーに巻きつけるので長めに用意しておくと良いでしょう。
この加工をツリーに装着するLED分行います。
プラス側の電極はそれぞれの抵抗端子に接続しますが、GNDは共通なので束ねてはんだ付けしておきます。
サウンドICとイルミネーションLED回路の結合
イルミネーションとサウンドを組み合わせて動作させてみます。
ブレッドボードを使ったサンプル実装はこちら。
動作の様子は動画でもご覧いただけます。
【クリスマス準備】RGBイルミネーションフルカラーLED「OST1MA58K1B」のテスト
LED・サウンド 制御基板の実装
設計・実装準備ができたら、制御基板を作成します。
サウンドICと制御用のスイッチ、イルミネーションLEDの電流制限抵抗・電源回路を制御基板としてまとめて実装することにします。LEDやスイッチの接続は、拡張・メンテナンスを考慮してコネクタを出すようにしました。
実装結果がこちら。
制御ボックスの加工と実装
制御基板ができたら、それを収める箱を加工します。
ちょうどよいサイズのチョコレートの箱があったのでこれを利用しています。
基板・配線が収まり、近いサイズのものがあれば、何でもOKです。
クリスマスグッズなのでデザイン優先で探しましょう。
この箱にスイッチの配置を考え、穴を空けます。
今回は丈夫な紙の箱だったので四角い穴はクラフトナイフで、丸い穴は木材加工用のドリルで簡単に加工できました。
次に、この箱にツリーの植木鉢部分を接合します。
ツリーの木と植木鉢の固定用に空けたネジ穴をこの箱の蓋にも貫通させることで固定しました。
固定ができたら、LED・スピーカーのケーブルを通す穴をドリルで空けます。
一番大きいスピーカーが通る直径1cmの穴を空ければLED(直径5mm)も含めて容易に通るようになります。
あとはケーブルを通し、ツリーを固定していきます。
一通りケーブルを通した結果がこちら。
あとはケーブルを整理して蓋をします。
クリスマスツリーの装飾
イルミネーション LED、スピーカー、サウンド再生状態表示LEDをツリー上にまんべんなく配置するようにケーブルを巻き付けていきます。
光ってる様子がこちら。
好みに合わせて、うまく配置できたら完成です。
電源アダプタの用意
今回の制御基板は5Vで動作します。
サウンドIC、スピーカー、イルミネーションLEDが動作する電源を用意します。
LED8個の構成で、全部で100mAもあれば十分なのでUSB電源でもよかったのですが、結局ACアダプタがいりそうなので、ハードオフのジャンク品で拾ってきたACアダプタ(5V2A)のコネクタだけ加工して使用しました。
まとめ
この構成は他のグッズにも組み込むことができそうなので、みなさんの身の回りのものもクリスマスっぽく演出できるかもしれません。みなさまの身の回りのグッズを電飾する際にぜひ参考にしてみてください。
主要なパーツリスト
最後に、今回使った主要なパーツリストをリストアップしておきます。
・メロディIC
・RGBイルミネーションフルカラーLED「OST1MA58K1B」
- 抵抗
- エナメル導線
・モード切替用小型スライドスイッチ
- スイッチ
- LED
- ブレッドボード
- ユニバーサル基板
- コネクタ
- DCジャック
- エポキシパテ
はんだごてのコテ先を新品に交換
いつも使ってるはんだごてのコテ先が地中から発掘したかのような物体になってたので新品に交換。あたりまえですがめっちゃはんだ付けしやすくなりました。もっと早く交換したらよかった・・。
【クリスマス準備】RGBイルミネーションフルカラーLED「OST1MA58K1B」のテスト
クリスマスに向けて電子ガジェット作りを進めています。
綺麗なイルミネーションをお手軽に実装できるパーツとして、RGBイルミネーションフルカラーLED「OST1MA58K1B」を紹介します。
マイコンを内蔵しており、5V電源と抵抗(念の為、電流制限抵抗)を挟むだけでいろんな色にゆっくり変化していってくれます。
今回はこれを小さなクリスマスツリーの装飾に使おうと考えているので、8個並列でつないだときの動作の様子と電流値の変化をテストしてみました。また、合わせて製作中のクリスマスメロディIC回路との連動もテストしています。
動作の様子はこちら。
【クリスマス準備】RGBイルミネーションフルカラーLED「OST1MA58K1B」のテスト
クリスマスイルミネーション用のデバイスを検討されている方は参考にしてみてください。
RGBイルミネーションフルカラーLED「OST1MA58K1B」は、秋月電子で1個40円で入手できます。(2020年10月現在)
クリスマスメロディICの制御回路と動作情報は以下のブログを御覧ください。
クリスマスソング25曲入りIC「HK326-2」サンプル実装と連続再生テスト
10月に入りましたのでクリスマス商戦に向けたガジェットの製作に着手しました。
100均のクリスマスツリーをベースに、イルミネーションとクリスマスソングで職場のみなさんを和ませるクリスマスツリーを作ろうと思います。
まずは、クリスマスソング再生を行うためのICを選定し、試作を作ってみました。
クリスマスソングが25曲入ったメロディIC「HK326-2」です。2020年10月3日現在、秋月電子で170円で売っています。
ここでは、サンプル回路を参考に、25曲を繰り返し連続再生する設定にしています。
ブレッドボードでのサンプル実装と回路図、内蔵している25曲を再生している様子をビデオにしました。
クリスマスソング25曲入りIC「HK326-2」サンプル実装と連続再生テスト
回路図はGithubに公開しています。
クリスマスソング再生できる小型・省電力ICをお探しの方は是非参考にしてみてください。
最後に、今回の工作で用いた主要なパーツへのリンクをリストアップしておきます。
・メロディIC
- 抵抗
・モード切替用小型スライドスイッチ
- スイッチ
・LED
・ブレッドボード
100円のシガーソケット用USB充電器からDCDCコンバーターモジュールを取り出す
昭和59年製ソニーのラジカセをBluetoothスピーカーとして復活させました(製作ポイントまとめ)
昭和59年(36年前)にソニーから発売されたラジカセ「CFS-V5」のジャンク品をヤフオクで1000円で落札。カセットテープユニットが壊れているということで、BluetoothモジュールとPAM8403デジタルアンプ、リチウムイオンバッテリーを組み込んでBluetoothスピーカーとして復活させました。元の製品のデザインが良く、かわいいしまだまだ使えそうなオーディオ機器になりました。
動作概要の動画だけ公開していましたが、こちらに製作のポイントをまとめておきたいと思います。同じような工作をしてみたい、という方は是非参考にしていただければと思います。
目次
- 目次
- こんなふうに動きます
- Bluetoothスピーカーの基本的な設計情報について
- 製作の動機、ラジカセの調達方法
- まずはラジカセ筐体のクリーニング
- ラジカセの分解と主要パーツの確認
- ラジカセパーツの活用:スピーカーユニット
- ラジカセパーツの活用:電源スイッチ
- ラジカセパーツの活用:カセットメカユニットへのBluetoothモジュールとバッテリー充電モジュールの組み込み
- バッテリーユニット、電源ユニットを電池ボックスに実装する
- ACアダプタの加工とDCジャックの取り付け
- ラジカセパーツの活用:コンデンサ、メカパーツの収穫
- 改造後の実装写真
- まとめ
- 主要パーツリスト
こんなふうに動きます
まずは動作概要です。
昭和59年製ソニーのラジカセをBluetoothスピーカーとして復活させた
もともと本体についてる「ラジオ/テープ」切り替えスイッチが電源スイッチになっていて、電源を投入すると赤色の電源LEDが点灯、あわせてBluetoothユニットが起動してテープユニットにある青色LEDが点滅します。スマホとペアリングして音楽を再生させたら、内蔵したD級アンプ「PAM8403」で増幅され、ラジカセのスピーカーから大音量の音楽を楽しむことができます。もともとの音量ボリュームもアンプに接続させていますので、音量も調節可能です。また、電池ボックスには18650リチウムイオンバッテリーを搭載しているので、コンセントに接続せずに4~5時間は音楽を楽しむことができます。カセットユニットが故障していたラジカセを、アンプ内蔵Bluetoothスピーカーとしてまだまだ現役で使えるようになりました。
Bluetoothスピーカーの基本的な設計情報について
基本的な設計思想・回路は、これまで100均スピーカーを使ったものや、日本酒の箱を活用したスピーカーと同じになります。ここで触れていない設計方法や、内部回路の作り方等は下記記事を御覧ください。
製作の動機、ラジカセの調達方法
いくつか Bluetoothスピーカーを作ってきて、手頃な箱と良いスピーカーユニットがあれば使えるBluetoothスピーカーが作れることがわかりました。この2つの条件が高いレベルで備わっており、携帯性にもすぐれたものが昭和に普及したラジカセであることに気づきました。ハイエンドな商品だと良いスピーカーユニットを使ってる商品もありそうです。
ハードオフのジャンク品コーナーにピッタリのものでもあればそれで良いと思いますし、ヤフオクなどで検索すればかなりの数が出てきます。基本的に使うのは箱とスピーカーユニットだけなので、カセットテープユニットやラジオ機能、ボタンが壊れてても全く問題がありません。あとは、デザインや好みのブランドで選べば良いと思います。
今回はこのアイデアが出た日にたまたまヤフオクで出品されていた、昭和59年製のソニーのラジカセ「CFS-V5」を1000円で落札しました。完全に動作するものだと結構高値でやり取りされていますが、今回落札したものはカセットテープユニットが故障していたので安く仕入れることができました。
まずはラジカセ筐体のクリーニング
ジャンク品扱いのラジカセを安く調達してすぐに家に届いたのは良いのですが、筐体がかなり汚れていました。特に、高級感を出すはずの上部のメタリック塗装のパネルがくすんでおり、もし動かしても見栄えを損なってしまいそうだったので、まずは清掃することにします。
結果、たまたま家にあった適当な洗浄剤を含ませて拭いたらかなり綺麗になりました。
Amazonでも売ってるみたいです。
参考に、ビフォーアフターも載せておきます。
- ビフォー(洗浄剤で磨く前)
- アフター(洗浄剤で磨いたあと)
あまり強力な溶剤とか使ってしまうとパネルの文字まで消えそうだったので、あとの汚れ・小傷は味として残しておくことにします。
清掃が終わったラジカセの写真はこちら。
ラジカセの分解と主要パーツの確認
清掃が終わったところで分解してどのように修復・改造するかを検討します。
裏面の四隅・中央のネジ、電池ボックスの中のネジ、アンテナ固定用のネジの合計7つのネジを外せば、簡単に分解が可能です。中の構造もシンプルで、再組み立ても容易でした。
ケースを開けて開いたところ。
主要部品は次のようになっています。
前面スピーカー部のパーツ
まずはケース前面のスピーカー部です。
ソニー製、「3.2Ω 2W」のスピーカーユニットが使われていました。
単純に+/-を接続すれば動いてくれてそうです。
右スピーカーの横に、小さな基板が融接されています。
これは、前面の電源LED(赤色点灯)です。
保護抵抗150Ωをつけて、5V印加したらちゃんと光ってくれました。
前面パネルはスピーカーユニット2つ(左右)と電源LED、アース線の合計7本の配線が、コネクタにつながって一本のケーブルになっています。このコネクタがメイン基板に繋がれていました。
今回は、このコネクタから外して、個別のコネクタとして追加実装したアンプや電源制御基板に接続して使いました。
背面メイン基板部
背面ケースには、メイン基板やカセットテープユニット、電源ユニット等が実装されています。
今回、ラジカセの本来の基板は機能させないようにするので、メイン基板の各ユニットは次の方針で加工していきます。
電源基板 | 使わない上に重たく、スペースを取るので完全に取り外し。 ケース外部に出るAC100V入力のコネクタ部は、DC5VのACアダプタを取り付けるためのコネクタを組み込む |
カセットテープユニット | もともと壊れているのもあり、不要なパーツは誤動作防止と内部配線スペース確保のために取り外す。テープ回転用のモーターは重量削減になるのと、スペースも確保できるので取り外す。 ただし、ガッチリ組み込まれているカセットテープの再生・停止などのボタンは、押し心地も良くラジカセらしい部品のため、できるだけ稼働するように残しておく。 |
メイン基板アンプ部 | パワーアンプICや周辺の電解コンデンサ、コイルが大量に実装されている。これらは、新たに取り付けるPAM8402アンプモジュールを組み込む際に干渉するのではんだを吸い取って実装部品を除去する。 ここに実装されている電解コンデンサは国産の大容量の物が多く、劣化してないものは流用もできる。 |
切り替えスイッチ | 本体上部に出ているラジオ/テープのモード切替スイッチ。 今回は、このスイッチをそのまま電源スイッチとして利用した。 メイン基板のパターンを追うと、この切り替えスイッチが複数の導線を切り替えている回路が存在する。そのパターンの一部を利用し、スイッチを上に倒すと導通するパターンの一部を利用して電源スイッチとして利用する。その他の端子は、ラジオ・テープ回路に無駄につながらないよう、パターンをカットしておく。 |
メイン基板ラジオ部 | ラジオ用の回路。今回は使わないので、不意につながらないようにパターンをカットしておく。 |
以下、各ユニットの改造について記載します。
ラジカセパーツの活用:スピーカーユニット
今回の改造で唯一、ちゃんと動いてほしいスピーカーユニットの確認です。
ラジカセの蓋を開けて、スピーカー配線だけを取り出し、前回作ったアンプユニットと接続してテストしてみました。
動作テストの様子はこちらです。
昭和59年発売、ソニーのラジカセ「CFS-V5」のスピーカーテスト
結果、スピーカーはユニットはバッチリ動いてくれていたので、目的のものが作れる目処がたちました。
ラジカセパーツの活用:電源スイッチ
本体上部に出ているラジオ/テープのモード切替スイッチをそのまま電源スイッチとして利用しました。メイン基板のパターンを追うと、この切り替えスイッチが複数の導線を切り替えている回路が存在します。そのパターンの一部を利用し、スイッチを上に倒すと導通するパターンの一部を利用して電源スイッチとして使いました。
スイッチを切り替えたときに導通しているパターンは、デジタルマルチメータで簡単に見つけることができます。
使う場所が決まったら、その他の配線は不要な動作をしないようにパターンをカットしておきました。
あとは、使用するパターンから、電源モジュールにスイッチ接続するための線をはんだ付けして引っ張り出せばOKです。
最終的にはんだ付けした箇所と、導通チェックの様子です。
PAM8403アンプモジュールの組み込み
スピーカーのアンプとして、PAM8403モジュール(HiLetgo 5個セットPAM8403 ミニ 5V デジタル アンプ基板 USB 電源 オーディオ アンプ [並行輸入品])を組み込みました。 このモジュールは、音量調整用の可変抵抗がついています。
この可変抵抗をもともとの音量ボリュームつまみと置き換えることで、元の機構を活かしながら音量調節機能付きアンプを実現しました。
メイン基板には、もともとのボリューム用可変抵抗が固定してある金属板があります。この金属板の穴をドリルで広げることにより、可変抵抗をつけて固定することにしました。
次の写真が、もともと実装されていた可変抵抗です。
次の写真はこの可変抵抗を裏から見た写真です。
もともとのボリューム用可変抵抗を取り外します。
あとはこの金属板にアンプの可変抵抗が入るようにドリルで穴を拡げます。
もともとの音量ツマミが刺さるように、アンプ用可変抵抗の軸はヤスリで削って、ちょうど刺さるように加工しています。
あと、次の写真にあるように、このアンプを付ける場所の下には、大型の電解コンデンサが大量に実装されています。鑑賞してしまうので、予め外しておくようにします。
ピンぼけしてますが、アンプ組み込み後は、次のようになります。
ノイズ対策用に、アンプの電源の近くには1000μFのコンデンサを付けてます。
あとは、スピーカーとの接続用コネクタ、Bluetoothモジュールと接続するオーディオコネクタをユニバーサル基板に実装してPAM8405アンプモジュールを実装しています。
ラジカセパーツの活用:カセットメカユニットへのBluetoothモジュールとバッテリー充電モジュールの組み込み
ラジカセなのでカセットが入るスロットが前面にあります。
このラジカセはカセットテープの動作が見えるように、前面がスモークパーツになっています。ここにBluetoothモジュールやバッテリー充電モジュールのLEDが表示されれば、ステータスもわかりやすく見た目もよくなります。というわけで、カセットテープが入る場所に、Bluetoothモジュールとバッテリー充電モジュールを並べて実装するようにしました。
実際は前面スモーク部分の裏側になりますが、カセットユニットの中央ぐらいに入るように基板を固定します。
前面から見たら次の写真のようになります。
なお、カセットテープスロットは、不意に開いてしまわないように、上の2箇所にネジ穴を空けてボルト・ナットで完全固定しています。
動作中は、次の写真のようになり、LEDで状態がわかりやすくなります。
バッテリーユニット、電源ユニットを電池ボックスに実装する
このラジカセは乾電池でも動くように、背面に大きな電池ボックススペースがあります。もともとの用途に近いのですが、この電池ボックススペースであれば、リチウムイオンバッテリーを余裕を持って格納することができます。
電源ユニットは、以前のスピーカーを作った際にも課題になったとおり、Bluetoothモジュールからのノイズをアンプ電源に載せないため、絶縁型DCDCコンバーターを実装し、電源を分岐しています。
ACアダプタの加工とDCジャックの取り付け
電源ユニットはAC100Vで仕様もわからず制御も難しそうだったので、まるまる取り外してDC5Vのジャックだけつけることにしました。
もともとのAC100Vのコネクタをつけるところに大穴が空いてしまうので、それを埋めてDCジャックをつけるための加工を行います。
ここに使ったのが、家庭用の配線パーツで、電線モールのコーナーに使うこの素材。
L型でサイズ的にもちょうどよく丈夫なので理想的な素材でした。
ここに穴を空けて、DCコネクタを取り付けました。
背面パネルにネジ穴をあけて、ボルト・ナットで固定しています。
このDCジャックにDC5Vを供給するACアダプタは、ハードオフのジャンク品ボックスに転がってた、ソニー製のものを使いました。おそらく、PSP用です。
スペック的には5V2Aでちょうど良いので、コネクタをDCジャックにあわせて加工して使います。
ラジカセパーツの活用:コンデンサ、メカパーツの収穫
おまけです。
今回の製作は狙い通り筐体が活用でき、思ったとおりのものが作れてよかったのですが、ジャンク品をベースにするということで、最悪はスピーカーの部品取りであとは捨てても良いかな、ぐらいで考えていました。(ソニーのスピーカー2つ取れれば落札価格1000円の元は十分取れるので。)
蓋を空けてみれば、結構使えそうな部品がたくさんあり、予想以上の収穫がありました。
いくつか取り出したパーツを紹介します。
大量の大容量電解コンデンサ、抵抗、コイル
ニチコン製、エルナー製、ルビコン製の大容量電解コンデンサが大量に収穫できました。
ただ、どれだけ使い込まれてるのかわからないので、キャパシタンスを測定して劣化してなさそうなものだけ残しておきました。
カセットテープ駆動用モーター
制御基板に9V印加したら普通に回りました。
精度も良さそうなので何かに使えそう。
テープ持ち上げ用?電磁レバー
電圧かけるとレバーが上がる小さな部品です。
とりあえず電圧かけると動きました。
何かを持ち上げる小さな機構がいるときに使えそう。
改造後の実装写真
一通り改造したあとの内部写真がこちらです。
組み上げれば完成です。
もとの製品デザインも良く、メンテナンス性もよさそうです。
持ち運びもできて便利なので、家の中のいろんなところで音楽を楽しんでみたいと思います。
まとめ
今回はジャンク品の古いラジカセを使って作り始めましたので、最悪、スピーカーユニットはじめ音響パーツの部品取りができたら良いか、という低い目標ではじめましたが、しっかりした製品の機構もあって、とてもスムーズに、予想以上の完成度で仕上げることができました。最近の家電はモジュール化しすぎてほとんど機能改造の余地はありませんが、この時代の家電は修理・改造のベースとしても面白いと思いました。これからもジャンク品売り場で、古い機器をいろいろ調べてみたいと思います。
主要パーツリスト
最後に、今回の工作で使った主要パーツのリストをまとめておきます。
・デジタルアンプ
・Bluetoothレシーバーモジュール
・TP4056充電モジュール
・絶縁型DCDCコンバーター
・電動ドライバー
・18650リチウムイオンバッテリー
・18650リチウムイオンバッテリー用ホルダー
・抵抗
・ユニバーサル基板
・Bluetoothレシーバー→アンプ接続用ケーブル
・内部配線用コネクタ
・ACアダプタコネクタ