スケッチは3分
先日のFAJ定例会「3分間スケッチ」のネタ元になった本。
- 作者: 山田雅夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/11/16
- メディア: 新書
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ワークショップの内容を読んでもらった方はわかると思いますが、この本はスケッチのコツをまとめただけのものではない。
最近は何かとデジカメを持ち歩く。きれいな風景や、おもしろいもの、楽しい場面など、残しておきたい場面を克明に残すことができる。デジカメを持ってないときも、300万画素のケータイカメラで撮れる。いつでも、記録として残すには十分な写真が撮れるようになった。
なのに、なぜスケッチなのか。
スケッチというと、目に入ってきたものを線で描く。実はこれがすでに、頭の中で抽象化されたイメージだったりする。よく観てみるとわかるが、物体・風景はすべて面から構成される。スケッチとは、実際は存在しない「線」を抽出し、描画対象を捉える作業なのである。
この作業には、いくつかポイントがある。
これらを意識することで、3分という短い時間で必要十分な情報を判断しシンプルに描くことができる。
- 手前から書く
- 肝心なラインを選び出す(不要な情報は省略する)
- 見えない部分を想像する
- 背景を見る
- 厚みを出す
人によって、何が重要か、どこを中心に見ているのかによって、上記のポイントはいろんな意味を持つ。つまり、同じものを描いても人によって相当な差がでることがわかる。
目に入った映像の中で自分が感動した部分・大切と思った部分・周りとの調和など、写真では残せないような情報を抽出するのがスケッチなのである。
描くためにじっくり観察するから、新たな発見もある。
書籍では、これら「3分スケッチ」による効果・気づきに始まり、より的確にスケッチするための基礎練習法、描画対象別の描き方のコツなど、スケッチを始めるには十分な知識がぎっしり詰め込まれている。サンプルのスケッチも盛りだくさんで、視覚的にもわかりやすい。半分は絵なので、パラパラ見てる分にも楽しむことができます。
これから、いろんな場面で出会った感動や記憶を、写真だけではなく、スケッチで残してみたい。アナログだけどすごく効果的そう。思いもよらない発見もたくさんありそうです。