AgileJapan2009 ソフト開発に生かすトヨタ生産方式 ものづくり・人づくり

黒岩 惠さん
トヨタ自動車
九州工大大学院情報工学研究科、名工大客員教授

正直、レポートなんか書かないほうが良いと思う。
黒岩さんの経験、実績からにじみ出るパワーを感じ取らなければ、魅力半減です。
あの場に居なければ、伝わらない。
そんな講演でした。

以下、私の勝手な解釈でまとめたメモですが、状況はほとんど伝える事ができてません。そのへんをご了承のうえ、復習などにご活用ください。

システム開発への課題意識。

  • 技術が世界を牛耳るわけではない。ビジネスが伴わなければならない。
  • オープンを推進する。
    • 一人の頭では限られている。
    • オープンにするほうが儲かる。

製造業における日米間経営手法の導入

  • 80年代日本に学んだUSの方法論(TOC,Lean/Agileなど)が日本に
  • コンピュータは見えない。

日本的経営,アメリカの経営は相互に学び合ってる。

  • USがトヨタから学んだNUMMI
    • スタッフの役割は指示ではなく支援

欧米の状況。

  • 欧米のソフト業界は、みんな日本の生産方式、チーム作りの思想から学んでいる。
  • 学んでいない業界がある。それは、日本のソフトウェア業界。(CMMとかPMBOKとかのメソドロジーをありがたがっている。)

メッセージ

  • ルールや”Know how”より、”Know why”を。
    • すべての経済活動は「人間・機械(ICT)系」
    • TPSの本質は、方法論やテクノロジではなく、人間力・現場力
  • TPS/Lean/Agileのノウハウを知る(知識)のレベルから、TPSの本質,腹に落ち、「実践できるレベルに。」
  • あるべき姿を目指し、「改善」し続ける人間集団を作り上げる。

徹底した無駄の排除

  • 造りすぎのムダ
    • SEのドキュメント。お客様にとって必要なのは、動くソース。作業者の動作の50%以上がムダ。
  • トヨタは、50億の決済もA3一枚。
  • 「人月」を抹殺する!
    • 「人月」という単位は、頭の悪いやつが儲ける仕組みと言い切る。時間の切り売りをやっていてはダメ。
    • トヨタ生産方式は秒単位で削る。ソフトウェアはせいぜい、1日、5日単位。そんなのでどうやって見積もりできる?
      • 仕事を見直し、分割・改善せよ。
      • 仕事の分割ができないのは言い訳だ。
  • 多能工
    • 何でもできるようになる。