日本の15大財閥

日本の15大財閥―現代企業のルーツをひもとく (平凡社新書)

日本の15大財閥―現代企業のルーツをひもとく (平凡社新書)

約300ページを使って、淡々と企業の系譜を解説した本。
各財閥の発祥から、現在の企業構成までが、決まった体裁でまとめられている。財閥の系統図まで載ってたりして、その体裁は読み物というよりも、歴史の教科書なんかに近い。
しかし、気づいてみると、すっかり読み込んでしまった。

中世史や近代史なら、時代劇感覚で親しみやすい書籍がある。財閥史だって近代史の一部である。同じことができないはずがない?「戦国大名一覧や武田二十四将特集みたいなノリで、財閥企業を語れないか」という不謹慎この上ない考えで、筆者は今この文章を書いている。
(p.275)


本書では、以下の企業グループを取り扱う。


日本を代表する、あの企業もこの企業も名前が登場する。
明確に財閥の名前を冠している企業のほかに、最近になってから伸びてきた企業であっても、大きなビジネスをする上でこうした有力企業グループとの関わりは無視することができない。

今の企業グループのルーツが、江戸時代にまで遡ったりすることもある。
さらに、俄か信じがたいのだが、いわゆる政略結婚でできた繋がりが、現代の企業グループ形成に寄与してたりする。
合理的に見えるビジネスの世界も、未だ「血の結束」には抗えない。
この不況下で、何を信じたら良いかわからない状況では、このつながりは逆に強みに感じる。

読み進めていくと、「ええ!そうだったのか!!」の連発だった。
財閥を紐解くと、日本の経済界がどんどんつながって見えてくる。


企業再編が続く昨今、企業の繋がりを知るための一冊です。