ロジカル・ディスカッション
ロジカル・ディスカッション (Facilitation skills)
- 作者: 堀公俊,加藤彰
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/12/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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昨年12月に参加した、「ロジカルな議論をするための基本を学ぶ」ワークショップの元ネタの本。
ワークショップを受講し、議論の前に準備することと議論の中で意識することはなんとなく体験することが出来ていたのだが、今回、そのポイントをまとめた本を読むことで、「ディスカッション」についてより深く考える機会となった。
話し合いを促進し、ゴールに導くため、ファシリテーターには5つの役割と12の基本動作がある。
- ファシリテーターの5つの役割
- 要約する
- 論点を明らかにする
- ポイントをまとめる
- わかりやすく言い換える
- 検証する
- 筋道を明らかにする
- 筋道の歪みを正す
- 筋道の偏りを正す
- 整理する
- テーマを分解する
- 意見を分類する
- 統合する
- 優先順位をつける
- 上位概念をつくる
- 構造化する
- 構図(パターン)を選ぶ
- 切り口(視点)を選ぶ
- 要約する
本書では、会議の流れや会議の参加者それぞれの発言を、非常に細やかに分析している。
そして、会議の各局面で、具体的かつ論理的に議論を引き出し、意見を検証し、統合するための考え方やツールがぎっしりと詰め込まれている。
これらすべてを読むだけで習得するのは難しいが、まずはさらっと読むだけでも、議論の組み立ての全体像を知ることができるだろう。自分の現場の、日ごろの議論の課題と照らし合わせて、参考にするのも良いと思う。また、各章には、実践的な演習問題も含まれているので、チームのメンバーとじっくりと取り組んでみると、より習得が早いはず。
そして、何より忘れてはならないのは、議論は目的ではなく、手段であるということだ。
本書で紹介される技術やツールは、ゴールがあってはじめて活きてくる。
この点においても、随時確認を取りながら話を進めていることで、ファシリテーションスキル習得を考える我々にとって、自分の考えを見直す良い機会になった。
まとめの言葉と合意形成のプロセス、それが両輪となって初めて結論への納得が得られる。
(p145)
議論をうまく進めるのは難しいが、この機会をうまく生かすことができれば、チーム作りにおいて、強力な武器になる。
自分のファシリテーションスキルの見直しのために、時々、読み直すことを習慣づけたい一冊です。