Open Innovation Business Model

LinuxCon Japan 2010でJim Zemlinのプレゼン「Ubiquitous Linux: The New Computing Fabric」のスライドに出てきた図が、オープンソースの経済的効果を説明するのに有用そうなので整理してみた。
説明していたコメントも要約して書き加えている。

Linuxなどのオープンソースが、ビジネスにどのような効果を与えるのかを簡単に説明できる。

  • 開発コストは機器が複雑になり、爆発的に大きくなっている。イノベーションのためのコストが上がってきている。
  • 最近は、携帯電話を平均14ヶ月しか使わないというデータがある。これはメーカーに対して大きな開発プレッシャーになっている。
  • かつては、図の左側。開発コストに見合う収益を得ていた。
  • いまのクローズドシステムは右側の図の状態。製品が複雑になり開発コストが肥大している上に、製品のライフサイクルが短くなり回収できる収益が減少してきている。

  • Linuxはコラボレーションで製品をつくっている。高機能なOSや、IPスタック、汎用ライブラリのような部分はオープンソースプラットフォームとして共通化されてきている。
  • 開発コストを節約するだけでなく、新しい収入源が得れる。Appstore、新しいサービスを作ることができる。これまでのクローズドなシステムではできなかったことだ。
  • 新しい経済モデルができてきている。Androidの急速な普及がわかりやすい例。


「Open Innovation Business Model」は”Open Business Models: How To Thrive In The New Innovation Landscape”という本から引用している。

Open Business Models: How To Thrive In The New Innovation Landscape

Open Business Models: How To Thrive In The New Innovation Landscape

これが原著。日本語版もありそう。


Linuxがなぜこれほどまでに進化し続けているのか。
開発者なら直感的にわかるが、それ以外の人になかなかうまく伝えられない。
今年のLinuxConでもIBMのDan Fryeの説明を始め、説得力のある資料が出揃ってきたが、場面毎に最も効果のある材料を出せるようにしたい。