自作ベランダ水やり機(Arduino電子工作)
今回、年末年始休暇を利用して前から作りたかったデバイスを作りましたので、設計情報と合わせて共有したいと思います。
自動ベランダ水やり機を作りたい
自宅のベランダにイチゴや花を植えて楽しんでます。
毎朝水をやって育っていく様子が楽しく、また、イチゴなどは食べて美味しいので長く続いてる趣味です。特にこのイチゴは6年前にホームセンターで買ってきた一株が増えまくって第6世代になります。ここまで来ると思い入れもありますし、枯らさずに長く育てたいという気持ちになってきています。
この大切なイチゴたちですが、毎日水をやる必要があります。
旅行中はペットボトルなどから毛細血管現象で水をじわじわやってくれる製品もあるのですが、いまいち品質が良くないものもあり、ちょっと不安です。(実際、3日ほどの旅行から帰ってくるとイチゴがしんなりして枯れかけてたことも・・・。)
以前からこの不安を解決すべく、水やりマシーンをいつか作ろうと考えていました。
年末年始休暇に部品を揃え、実際に作ってみました。
風呂場での動作テストビデオはこちらです。
設計情報も公開しましたのでここでご紹介したいと思います。
目次
自動水やり機のシステム概要
水のバケツまたはタンクにポンプを設置し、自分で設定した時間に決めた長さで水を送る。ポンプには分岐の小型ホースを付けたものを設置し、複数の植木鉢に水をやるシステムを考えました。
ホースの加工は家庭のレイアウトにあわせて制作を行いますが、今回は一番の要になるポンプ部分を共有したいと思います。
今回用いたキーデバイス
水を吸い出すポンプとして、灯油をストーブのタンクに給油する、家庭用の電動ポンプを使用しました。ホームセンターで1000円ぐらい出せば電池で動作する電動ポンプが安価で購入できます。
今回ホームセンターで買ってきたのがこちら。
無駄に自動停止機能付のものを買ってしまったため、意図せず給水がとまってしまうという事態に・・・。
結果、給油制御は無視すれば良いので、マイコン基板は無視し、モーターの電源コードを引っ張り出して、電池ボックスとArduino制御ボードを挟んで直接制御するように改造しました。
電動ポンプのモーターは電池駆動(今回使ったポンプは単三電池2本)とはいえ、ArduinoのI/Oポートの電力では駆動が厳しそうです。Arduinoにはリレーだけ制御させて、ポンプのモーターのスイッチをON/OFFするような装置にします。テスト動画でも、ポンプのモーターが動く前にリレーが切り替わる「カチッ」って音が聞こえると思います。
回路図
Arduinoと灯油ポンプモーターを含めた回路図です。
GPIO 2はリレーのコイルに接続。
GPIO 3は状態表示用のLEDに接続。
GPIO 4は、給水スタートのボタンとします。このボタンを押さなくても、決まった時間を待って決まった時間の給水を行うという動作はしますが、押してる間は給水を続けて給水サイクルをリセットするという「即時実行」ボタンとして実装しました。
あと、電源は容量が少なくて使わなくなったモバイルバッテリーを接続しています。特にモバイルバッテリーである必要はなく、バッテリーの容量が少なく最近のスマホで頼りなくなったため活用しただけです。
このArduino互換ボードはRAWの電源が3V~12Vサポートとなっていますので、乾電池などに置き換えていただいてもOKです。
実装
実装後の写真がこちら。
灯油ポンプのモーターのVCCをスイッチングするための線を、筐体に穴を開けて引っ張り出しています。これを制御基板BOXの中に引っ張り込んで、リレーのスイッチ側に接続しています。
制御基板ボックスには、古くなって使っていなかった食品保存用タッパーを使用しました。大きさがちょうどよかったのと、ベランダでの使用を考えれば防水のほうが良いので、これを選びました。
あと、Arduino互換ボードの固定と保護にはスーパーで買ってきた椎茸が入っていたプラスチックトレイを洗って使ってます。筐体は主婦でも調達できる身近な素材ですね。
ソースコードとカスタマイズ方法
ソースはGitHubに置きました。
ご使用の条件にあわせて、自由にカスタマイズしてご利用ください。
ソースコード中の下記の定義を書き換えれば、水やり周期と水やり時間の長さを設定できます。
#define RUNNING_TIME (10) //20sec for test
#define WAIT_TIME (30) // 5 sec for test
例えば、一日周期で一回の水やりで1分間水を出すのであれば、次のように書き換えます。
#define WAIT_TIME (24*60*60UL) // 1day
#define EXECUTION_TIME (60) //60sec
組み上げた基板に焼いて、テストをしてみましょう。
お風呂場などで、狙った水量がでるように調整すると良いと思います。
部品リスト
最後に、今回のメロディボックスを作成する上で必要な部品をリストアップしておきます。
活用方法、まとめ
今回は灯油ポンプを用い、ベランダ菜園の水やりに活用しました。
この装置のように、Arduinoでもリレーを使えば、比較的大きな電力の装置を制御することができます。また、Arduinoではんなく、ラズパイなどを使えば機器をサーバーにして色々楽しめそうですね。
ぜひ、ご活用いただければと思います。