未来を予測する技術


2002年から2004年11月まで5期にわたりスパコンランキングのトップに君臨し、最大理論性能40TFLOPS、消費電力は約6MW(年間の電気代が約6.5億円)という超弩級の国産ベクタコンピュータ、「地球シミュレータ」。その可能性は、スペックだけでは語れない。
→地球シミュレータ(Wikipedia)


未来を予測する技術 (ソフトバンク新書 46)

未来を予測する技術 (ソフトバンク新書 46)

コンピュータのことを完全に侮ってました。

地球シミュレータセンター長、佐藤哲也さんが、未来を予測する技術であるシミュレーションについて、基礎の基礎から、その果てしない可能性までを綴る。
シミュレーションでできること、できないこと。計算能力の進歩によって可能になった予測や、今後予測しようとしていることが見えてくる。
予測ができるのだから、それに挑む。コンピュータの計算能力、また、それを生かす情報処理技術はまだまだ発展途上だ。

終章で「未来を選択できる社会」という節で、筆者はこのように語っている。

本書を書くことを決心した背景には、日本が開発した世界に誇る地球シミュレータの存在と、今後の未来設計を支えるであろうシミュレーション技術の現状を多くの方に知っていただきたいと考えたからである。

その想いが十二分に伝わってくる、すばらしい本でした。