おもてなしの経営学

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

学生のバイトで出入りしていたアスキーで数々のプログラムを生み出し、その後、マイクロソフトゲイツ・クローンの一人としてWindowsIEの中核を作ったスーパープログラマ、中島聡さんの本。ブログ「Life is beautiful」はいつも読んでます。

「User experienceはおもてなしだと思っています」

一言でこんな味わいのある言葉の紹介からはじまる。
ギークというと、良くも悪くも技術中心で物事を考えてるようなイメージがあるが、その機能は何のために作るのか、どんな実装やアルゴリズムが、ユーザーにどのような体験をもたらすのか。実は、ギークの道を極める人には「スーツ」な感覚も素養として求められてくる。行き着く先は、「おもてなし」という、まさに経営学と呼んで差し支えないものだ。
ソフトウェアってつくづく人が作ってるんだなって再認識させられた。

アップルにできてソニーにできなかったことは何か。他の競合OSを叩きのめしてきた、あのWindowsも、感情も含めた意思決定や人間的流動を経て今の市場をつかんだ。他の消えていった技術に無く、市場で勝利したものとの違いは何か。こういった疑問も、中島さんや、この本の対談を通すと、はっきりと答えが見えてくる。

技術も、ビジネスも、すべてはサービスにつながる。
その商品にソウルはあるか。
「おもてなし」、できてますか。