嘘を見破る質問力

嘘を見破る質問力

嘘を見破る質問力

 絶えず流れてくる詐欺のニュースや、政治家の答弁なんかをテレビで見てると、「世の中嘘つきばっかり!」と思ってしまっても無理は無い。しかし、日常を冷静にふりかえってみると、悪意をもった「嘘」をつく人というのは、実はほとんどいない。このことは、この興味深いタイトルの本の中でも終始述べられている。さらに、弁護士がそう言うのだから説得力がある。
自分が思い込んでいる「真実」と違うことを言う人や場面に出くわすことも少なくない。しかし、ほとんどが「嘘」ではなく「記憶違い」と言い換えることができるのである。(さらに言うと、自分自信の記憶違いも結構多い。)この「記憶違い」に気分良く気づいてもらい、コミュニケーションを円滑にするための話術は、日常やビジネスシーンのあらゆる場面でも有効といえる。

本書では、嘘・記憶違いのメカニズムを分析し、それをうまく分解して認識させ、自覚に導く方法が丁寧に解説されている。

わざと相槌をうたずに、じっと目を見て相手の話を聞く

なんか効果ありそう。
わかっていても、これやられると思うと恐ろしい。

  • 裁判での嘘と、解決に導く事例
  • 男性は女性より嘘をつくのが下手
  • 反撃不能な女性の嘘

のあたりなんかは読んでて普通に面白かった。

この印象深いタイトルに期待してしまいがちだが、注意が必要なのは、

反対尋問はアート

と序盤で述べられているように、この本を読んですぐにズバッ!という質問ができるわけではない。
あくまでも日常やビジネスシーンでのコミュニケーションを円滑にするためのスキルとして、気遣いのためのアンテナを得るという、実益的な期待を持って読むと面白い。

会話で食い違いの多いと感じている方、気の利いた質問ができないとお悩みの方にはおすすめです。