LinuxCon2010/Ubiquitous Linux: The New Computing Fabric

Ubiquitous Linux: The New Computing Fabric
Jim Zemlin, Executive Director at The Linux Foundation

コンピューティングのビジョン

これまでのコンピューティングはMSが進化を牽引してきた。
20年前はMSのビジョンがシンプルだった。

  • 「すべてのPCでMSのソフトウェアを動かす。」

このビジョンは21世紀では十分ではない。

”What is Linux Vision

  • NY,東京証券取引所をはじめとするシステム
    • Linuxのシステムで動いており、経済そのものといえる
    • 航空管制システム、議会などでもシステムとして使われている。
  • 映画「アバター」のデジタルエフェクトはLinuxで行っている。
  • スマートグラッドシステム
  • BMWLinuxをエンタテイメントシステムに使うと発表している。
  • GPSユニットのサーバー側の進化にも貢献
  • サーバー分野
    • ここ10年ぐらいでスパコン市場の90%以上のOSシェアを獲得
  • 携帯電話、モバイルOSのコアとしても広がる。

今のLinuxのビジョン

Linuxは、単にデスクトップだけでなく、ロボット、スパコンFacebook/Amazon/Googleなどのサーバー、すべてのコンピュータに搭載される。
Linuxはコンピュータのfablicとして機能している。
コンピューティングの未来がLinuxで作られている。
インターネットは10億人が接続している。すぐに20億の人が接続されるようになる。

自動車、アプライアンス、パイプライン、livestock・・・、これらすべてがインターネットにつながる。

コンピューティングのワークフロー

電力会社の例

  • インターネットを使った電力会社のメーター情報収集の例
    • 100万人のユーザーが月一回、メーターを読むだけで、1200万のトランザクションが発生する。
    • 毎日、人を派遣する労力が節約できる。
    • 情報を随時読めば、使用量のより細かい制御、コスト削減が可能だ。
    • しかし、より細かい情報を読むとトランザクションが増大する。
    • 350億トランザクションになると、まったく違うシステムが必要になる。
    • これがインターネットの世界。


今後のコンピューティングのビジョン、そしてLinuxの役割は?

(1)すべての端末にIPアドレスを割り当てられる

モバイル端末はもちろん、電球、あらゆるものがネットワークにつながる。これでトランザクションが増大する。ネットワークサーバーはより多くのデータをさばくため、より大きなストレージ、データマイニングのためのスーパーコンピュータが必要となる。
Linuxはこれらすべての土台になりえる。

Linuxはこのビジョンに最もマッチするOSだ。
モバイルOSとして、スパコンのOSとして、最も進化して普及している、
将来有望なアーキテクチャだ。


(2)Linuxはコスト削減に貢献する。

開発コストは機器が複雑になり、爆発的に大きくなっている。
イノベーションのためのコストが上がってきている。

最近は、携帯電話を平均14ヶ月しか使わないというデータがある。
これはメーカーに対して大きな開発プレッシャーになっている。

かつては、図の左側。
大きな開発コストをかけて製品を短いサイクルで作っていた。

これからは右側の図。
Linuxはコラボレーションで製品をつくっている。
開発コストを節約するだけでなく、新しい収入源が得れる。
Appstore、新しいサービスを作ることができる。これまでのクローズドなシステムではできなかったことだ。
新しい経済モデルができてきている。
Android、MeeGooのエコシステムに参加してる企業は増えている。


(3)クローズドからコラボレーションへ。”

PCクライアントのあり方も変えている。
これまでは、PCがインターネットにつながっていた、
2010年を境に、車、モバイル、家電、すべてがインターネットにつながる。
キラーアプリはインターネットだ。

牽引していた企業も、ハードメーカーだった。
これから牽引するのは、Linuxだ。
メーカーがLinuxを使い、市場を作る。
AmazonLinuxを使い、クラウドプラットフォームを作った。
Googleは、Linuxコミュニティに許可を得たわけではないが、Androidを普及させた。


(4)IT産業自体がサービス産業に進んでいる。

「FREE」

ソフトウェアの無償化だけでなく、ハードウェアも無料になるだろう。
Kindleは100ドルぐらいになった。

アメリカのT-mobileではPCを無料で配っている。
T-mobileは1ヶ月50ドルの無線プランで儲けている
エンタープライズIT企業はこの動きに向かっている。

ITセクターで急成長している企業は、サービスとして利益を得ている。

エンタープライズの分野でもこの動きが顕著だ
Amazonsalesforce.com・・・
サービスを考えさえすれば、Amaoznのサーバーを使ってスタートアップすればよいので、コストが少ない。成功すればサーバーを増やせばよい。
Amazonは新しいことをやったわけではない。Linuxを使っただけだ。

(5)米国のトップ2の重要な戦略

1.クラウド
2.オープンソース

Amazonが.NETをつかっていたら今の成功は無いだろう。
クラウド自体、Linuxが駆動しているからだから。


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いまは始まりを迎えているに過ぎない

Linuxは150億ドルのエコシステムに成長した
この世界のすべてのシステムを駆動している。
Linuxの世界は広がる一方である。
このLinuxConの3日間、新しい世界に目を向けてほしい。