論理的に考える技術

タイトルや目次は魅力的だが、得られるものが少ない。図解のバリエーションも少ないような気がするし、例文による説明もいまいちイメージがわきにくく、適応範囲も見えにくかった。思考はパターンに沿って進めることで新しいものが創出できることもあるが、文章をパターンに押し込めようとするところはさすがに無理がある。

日本語の文章の組み立てがパターンで表現できるなら、誰も苦労しない。学校でも教えられているはずである。日本の「国語」教育で文の論理構成をあまり教えられず、読解やことばの教育を中心としたものになっているのは、その表現技法の自由度にある。図を一生懸命書いた所で、パターンに押し込めることはできない。

3章 (8) 論理的に童話を書く

うーん、誰が童話を論理的に作りたいと思うのか?


文章は「伝える」のが目的。
伝えるのは、感動であり、考え方であり、想いであったり、いろんな場合があるが、論理的に展開するのはその手段でしかない。パターン化を考えてるよりも、「日本語の作文技術」とかを読んでるほうがよほどシンプルで効果的な表現能力を得られる。

日本語の作文技術 (朝日文庫)

文章のビジュアル化にはいろいろ不満が残ったが、思考・ビジネスのビジュアル化はそれなりに参考になった。「時間発想法」は、時間を図示することでビジネスチャンスを見つける。とにかく、図を描くという姿勢だけは重要だろう。

今年のワースト1であることは揺ぎ無いが、30分程度で飛ばし読みしながら、いろいろ考える機会になったのは確か。
それで元をとったことにしよう。