迷いと決断

この業界のことを良くわかってない頃から、純粋に「かっこいいな〜」と思える社長さんの一人でした。

『迷いと決断 〜 ソニーと格闘した10年の記録』

迷いと決断 (新潮新書)

迷いと決断 (新潮新書)

ソニー会長兼CEO、出井伸之さんが綴る、10年の記録。

最近、ちょっと不調なことが続いたのもあって、過去の経営判断について叩いてる記事なんかも見受けられるが、就任から4年で3兆円(4兆→7兆)の業績拡大を遂げた稀代の経営者。やっぱりすごかった。

ボリューム満点。

第1章 「CEO出井伸之」のできるまで
第2章 「生存率50%以下」の会社
第3章 手探りのコーポレート・ガバナンス
第4章 AV/IT路線とコンバージェンス戦略
第5章 CEOの孤独
第6章 やり残したこと
第7章 新しい夢と出発

ソニーに入る前から、CEOになって、経営を離れるまで。
本当に、様々な局面での迷い・判断、そしてその背景(裏話)が盛りだくさんです。
一つ一つが判断の難しく、スケールの大きな話で圧倒されるが、全体で感じられるのが、その真摯な姿勢。結果はどれもシンプルで、考え抜かれている。何より、見習うべきは学ぶ姿勢。そのエネルギーは、現役時代は勿論、今も一切衰えを見せない。

業態の拡大により、エレクトロニクスの個性が希薄になったと誤解する記事は多いが、大きな誤解である。技術力は依然、トップを走り続けているし、むしろそれを爆発させるための潜在的な可能性は広がっていると思う。

何より、出井さんの意思が、人材やビジョンとして残っているソニーは、今後も目標であり、ライバルであり続けるだろう。


たくさんのパワーと気づきをいただきました。