実践!チームビルディング

岡島さんの講演。
実は、今回の日経コンピュータフォーラムのこの講演は、9月22日号の記事を執筆したのをきっかけに、私から岡島さんを推薦させていただき、それが実現したものです。

すっかり仲良くさせてもらっている岡島さんですが、岡島さんの「プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」」は私がPFに取り組むきっかけになった本であり、会社やPFPでワークショップをする際の参考書として、何度も読み直しています。
特に、

「管理というより演出」

というフレーズは、プロジェクト管理の話をする度に口に出している。
そんな超お気に入りな本の内容を、筆者から直接きけるというセミナーが実現したうえに、ご招待してもらったもんだから、これほどうれしいことはないです。

本は何回も読んでますが、やはり、直接お話を聞くとずっと「現場」がリアルに感じ取れる。数多くのプロジェクトでのPFプラクティス導入事例を中心として、失敗談なども交えた、現場視点の実践的なお話を聴くことができました。

以下、講義メモです。

チームの本質

  • チームとは何か
    • メンバーが各自のスキルを出し合って、共通の目的のために共同作業をする。お互いの約束があって、初めて集団はチームに変わる。(リーン開発の本質p155より)
  • 「ブレイクスルー」チームビルディング(魔法の瞬間)を期待してしまう。
    • 魔法の瞬間狙いのテクニックは使いすぎるとダメ
      • 例:ギレン=ザビの講演(会場は爆笑)
  • 「ウーズスルー」チームビルディング
    • 「うーず」とは、にじみ出るという意味。
      • 理想のチームを目指し、日々繰り返す地道なもの。

問題の発見と解決

朝会

時間がたつにつれて問題はひどくなる。
朝会は、これを発見するよい機会になる。(リズム)

  • 「チキン」(部外者)になって観察する。
      • メンバーの顔をしっかりと観察
KPT

よい兆候があらわれる。
改まって書くことで、思わぬ発見が!
(例)

  • 作業内容ではなく、感想を書くようにした。
  • だらだらしてきた、仕事がつまらない
    • つまらないと思っている人をまきこみたい
    • 一緒に朝会をしたり、ふりかえりをしたり。チームを巻き込む提案がでてきた。
      • 続けないと効果が現れない。それを続けるのが重要。
タイムラインでプロジェクトを振り返る。

機会を改める機会ではない。ふわっとしたふりかえり。
KPTのタイムライン

タスクかんばん

タスクかんばんには「兆候」が現れる。

  • 目的や成果物がないのは注意!タスクはアウトプットを明確に。
  • Doingタスクに終了条件がないのは何とかしよう。
  • 問題発見のコツは「MBWA」(Management By Working Around)
    • 歩き回ることが大切!

管理と演出

  • 外発的動機付けではなく、内発的動機付けを引き出す。
    • 内発的動機付けを促進するのが演出のテクニック
  • 動機付けの「ツボ」は成長によって変化する。
キャラクターマップ
  • たとえば、メンバーを「アタック」「バランス」「ディフェンス」に割り当ててみる。
  • 内発的動機付けのツール
    • みんなにおもしろいと思ってもらうキャラクタ分類
パーソナルナラティブ
  • 「ナラティブ」→物語。
  • やってほしいことをとことん、細かく書いて渡す。
    • ★書くだけでぜんぜん違うかも。
  • ナラティブ通り(のみ)をやる人には意味がない。自律的行動を促すことが目的。

最後に

  • 自分から始める!
  • 「チーム」は最終状態ではなく、プロセスである。
    • 途中だと思えば、まだまだ続けられる。