人を動かす内省型リーダーシップ(野村総研コンサルティング事業推進部イデリアチームの永井恒男さん)
日経コンピュータ9月22日号で特集のあった記事のお話。
「内省型」という記事のキーワードも新鮮だったのですが、やっぱり直接お話を聞くとずっと深いところまで伝わってきます。
「内省型」の思考というのは、ちょっとした問いかけで、すぐに試すこともできる。
公演中も、簡単な演習で体験することもできたのですが、難しいのはそれを継続すること。
「内省」は意識していても、ついつい忘れてしまいがちになってしまうので、時々補正する意味でも「問い」続けることが必要だ。
「周りを変えるには自分から」は、まさにケント・ベック(Extreme Programming, XPの提唱者)の言葉もあって、自分でも何度も頭に叩き込んでる言葉なのだが、永井さんから継続して確認(振り返る)きっかけをいただいた。継続のための心がけとして、是非参考にしてみたい。
以下、僕のとったメモです。
「内省型リーダーシップ」
- 新しいリーダーシップの型の提案
- 人を動かしたかったら自分が変わりましょう。
- 理解するのは簡単だけど、実践し続けるのが困難
- わかっているけどやるのが大変なのが、リーダーシップ
- たとえば、朝食を毎日食べるのは大切とわかっていてもなかなかできない。そんな共通認識が例えとしてわかりやすいです。
- わかっているけどやるのが大変なのが、リーダーシップ
自己開示のワーク
会場で、近くに座っている方と2人1組になって、一方が聞き手、一方が回答者になって、お話してみます。(交代してお互い聞いてみる。)
・あなたが今までであった最悪のリーダー
・最悪のリーダーの特徴はなんでしょうか?
- 参考(ほかの受講者の方の意見)
- 自分の意見ばかり押し付ける
- 責任をとらない、部下のせいにする。
→自分は何もやらないで人のせいにするのは評判が悪い
リーダーシップの誤解
- 他人を変える(押し付ける)のは誤解
- よい経営者は自分を変える
- 他人を変えるのは難しい。
- 自分を変えるのは気づきと行動で可能。
内省型リーダーシップのメカニズム(ステップ)
- ステップ1.自分を振り返る。(人間モデルを確立)
- ステップ2.他人とのかかわりをふりかえる(くりかえす)、他人を通じて理解する。
- ステップ3.他人への影響が高まる。
→このステップを繰り返す
思考のコツ
- 自責思考
- 自分が変われば周りがかわる
- 問い:「ご自身が変えるべきことは何ですか?」
- 自分が変われば周りがかわる
- 未来思考
- 理想の未来を定義し、それにむかって進む
- 問い:「理想の状態はどのようなものですか?」
- そのために、「どのような挑戦をしますか?」
- 理想の未来を定義し、それにむかって進む
→”問い”を常に頭に置くことによって変えることができる。
- 他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる。
→ケント・ベック!
- 最初に大掛かりなことをやろうとすると、それの準備で雰囲気が悪くなることも!
- 最初は簡単なことから!
演習
再び、2人一組で問いあってみる。
・リーダーとして何か思い通りにならないことはありますか?
・相手の落ち度や環境の要因はあると思いますが、
それを一度脇に置く
その状況が生まれたのは自分にも原因があるとしたら、それは何でしょうか?
・すべてが可能であるとすると、あなたが本当に目指したい姿(こうありたいという姿)はどのようなものですか?
・ありたい姿のためにあなたが個人として行う挑戦にはどのようなものがありますか?
- 参考(会場の声)
- 思い通りになっていないこと
- 忙しいから書類作成を先延ばしにしていた。感情的には外のせいだと思うが、、
- 一人ひとりの思いを実現して、生き生きして、組織自体を伸ばしていく。
- 新しい挑戦
- 朝行ったらちゃんと挨拶する。
- コミュニケーションをとる。状況・問題点を確認してみる。
- 思い通りになっていないこと
内省型リーダーシップとは、「他人に優しくしよう!」ということではない!
- 時には「鬼になる」ことも必要。
- 良い人に思われたいという欲求はどうしてもあるが、それを抑えるのが難しい。
人を動かす原動力
- 何のために人を動かすのでしょう?
- 自分ですか、それとも相手のためですか?
- 人は、管理されたくない。
- 相手や組織がより良い組織・社会になるために。
- 少しでも自分のためという感情が残っていると人は言うことをきかない。
参考
われわれが求める変革を、まずわれわれ自身が実践しよう。
(ガンジー)