ロジカルな議論をするための基本を学ぶ - FAJ関西支部イベント2009レポート
日本ファシリテーション協会(FAJ)の関西支部イベントに参加してきました。
▼日本ファシリテーション協会(FAJ)
http://www.faj.or.jp/
初心者の方も参加できるオープンイベントなのですが、FAJの関西支部の充実した講師陣による6つのワークショップが用意されるなど、ファシリテーションをこれから学ぶ人に限らず、よりスキルを深めたい人にとっても、豪華なイベントでした。
私は、加藤彰さんのワークショップに参加しました。
つい先日発売された書籍「ロジカル・ディスカッション (Facilitation skills)」のエッセンスを体験してみるというセッションです。
ロジカル・ディスカッション (Facilitation skills)
- 作者: 堀公俊,加藤彰
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/12/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 16人 クリック: 264回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
日ごろ、会議の場などで、
「組織の課題は人間力だ!」
といった意見を見かけることも多い。ごちゃごちゃと話をしていて、無理にまとめようとすると、こうしたあいまいな言葉が出てくる。
たとえばこの一文ひとつとっても、よく見直してみると、「人間力」って何か良くわからない。このような抽象的な言葉や、思考停止語でまとめてしまう議論は少なくない。
ここで止まってしまっては、この後、何も行動が起きないし、何も生み出さない。非生産的なディスカッションになってしまう。
今回のワークショップでは、こうした議論の課題を、しっかり分析し、生産的な議論を導くための「下ごしらえ」を身につけることを考えてみました。
ポイントは、以下の通り。
- 我々は、無理に議論をまとめようとしていないだろうか。
- まとまらないのには理由がある。
- その理由を分析し、論理的に生産的な議論を導くための「下ごしらえ」を考えてみる。
- 実際に「議論の下ごしらえ」を意識しながら、いくつかのテーマについて練習してみる。
合宿勉強会の持ち物リストを作るという簡単なものから、組織のビジョンを3つのポイントで説明してみるという、非常に議論が広がる難しい課題までディスカッションしてみた。
とくに、組織のビジョンを議論しているときは、議論に参加している人同士で、言葉の定義から捕らえ方まで、非常に深いディスカッションになった。
- 「当事者」とはそもそも何か?
- 議論したみなさんの職業や、現場によって、非常に捕らえ方がかわる。
- 結果、プロセスという言葉の定義
- 全員の意見をまとめる、上位概念の導き方
- まとまったとは何なのか?
自分の発言を見直す良い機会だったと思う。
結論はともかく、自分の組織で何気なく使っていてよくわからない言葉や、思考停止語が無いか、などは現場で議論してみると面白いだろう。
今回のディスカッションは、書籍の概要の紹介&体験ということなので、本をじっくり読んで、復習してみようと思います。