Google Developer Day 2010レポート

9/28に東京国際フォーラムで行われたGoogle Developers Day 2010に参加してきました。


最初に、イベントに参加してみて思ったことを少し書きます。

参加登録時に挑戦したDevQuizが楽しく、イベント前から開発者にGoogleテクノロジに関心をもたせてしまう仕掛けがすばらしいと思いました。

イベント当日は、ちょっと人数が多すぎて身動きがとりにくかったのと、タイトなスケジュール、まとまり過ぎてる発表内容で、私が勝手に期待していた「開発者同士の意見交換の場」ではなかったのが(個人的には)残念。これまでGoogleテクノロジ関係のイベントは参加したことの無い私の問題かもしれないのですが、入りにくい空気も若干ありました。(これを機に、GTUG界隈にも顔を出すようにしたいですが・・・。)

Googleのテクノロジーは誰でも使えるし企業自体がプロセスを公にしててオープンな印象を受けますが、Linux Symposiumみたいな参加者全員が当事者(そのテクノロジーの作り手)であるオープンソースコミュニティの集まりとは大きく違っていて、あくまでも企業イベントなのだと感じました。メインプレイヤーはGoogle、参加者はGoogleテクノロジーAPIユーザーであると考えると納得がいきます。作ってるものの目的が違うので比較するのも意味が無いことなのですが、オープンさの度合いには大きな開きを感じた一日でした。

初めての場ということもあり、自分が当初思い描いていた期待とのギャップはいろいろ感じたものの、Googleのやろうとしてることは面白いし価値があると思います。
それを支えるテクノロジーも面白いです。進化のスピードもすごい。
GoogleDeveloperDayは、Googleのテクノロジーを知って、使ってみて、どうビジネスにつなげていくかを考える場としては、とても充実してました。
Googleテクノロジーを使ってる技術者は是非参加しておきたいイベントだと思います。

今回、基調講演で取り上げられていたテーマは、大きく分けると以下の4つです。

後のレポートで詳細なメモを書きますが、ここでは各テーマの感想をまとめてみました。

HTML5 & Chrome

Webは、HTML5の登場で、これまでの「できる」「できない」という議論から、より快適で実用的なものが要求されてくる。そして、それを実現するためにはテクノロジーの進化が必要。開発者もこれを知った上で活用しなければならない。
GoogleHTML5を明確に強く推していってくれるのは心強い。Chromeのパフォーマンスと、開発ツールの充実を進めているのも良いニュースで、それを聞けたのは大きな収穫だったと思う。

クラウドプラットフォーム(GoogleAppEngine)

GoogleAppEngineはメンテナンスやライセンス、テストなど、プロダクト・サービスを作るうえで大きなウェイトを占めていた悩み事を、テクノロジーによって減らして行くというアプローチ。マネージャやエンジニアは、本当のサービス・製品価値の向上に時間を使える。今回のツールのデモでも、革新性の一端が垣間見れたように思います。

入力技術の進化(Google日本語入力

入力は重要なインタフェースにも関わらず、これまでほとんどイノベーションが起こらなかったという謎の分野。Google日本語入力、音声入力は、現時点でのベータ版でも革新性を感じさせるものだし、今回の発表内容を聞いているだけでも、今後の進化に期待しても良いと思いました。

Life cycle of developers

私がGoogleに良いイメージを持っているとすれば、エンジニアの生活を革新的な技術と同じレベルで重点テーマに挙げてくるところなのだと思います。食事が無料だとか、20%ルールとかいろいろと聞きますが、実際、Googleのエンジニアのみなさんはどう考えているのかは知る機会がありませんでした。今回「Googleエンジニアの日常」というセッションがあり、この関心のあったテーマについて、直接話を聞くことができました。
開発の障壁を取り除き、エンジニアの生産性を上げて、プロダクトの価値を最大化するための工夫がいたるところで感じられます。日頃から、私たちが取り組んでいることの、さらに進んだ実践事例の一つを知ることができました。

その他

メインテーマではないものの、個人的には気になっていた「プログラミング言語Go」のお話も聴けました。コードのメモリ展開のメカニズムなど、内部構造も織り交ぜながらのお話で、Goの言語としてのポジションが少し読み取れました。システム記述言語、大規模開発言語は革新が望まれる分野で、Goはそこを目指せる。今後、いじってみたい言語としてとても興味を持てました。


以下、受講した各セッションの詳細メモ(拾った情報を片っ端から。)を書いていきます。