アジャイルジャパン2012レポート

アジャイルジャパン2012を開催しました。
翌日からタイムラインを追いかけていると、250人を超える人が対話を深めた大阪メインの熱気は余韻として依然残っていますし、全国のサテライト会場の興味深いディスカッションの内容も伝わってきており、改めて充実感を感じています。
各セッションのレポートはどんどん上がってきていますので、公認レポーターのみなさん記事や、Twitterの”#aj12”タイムラインを是非ご覧下さい。

会場は超満席で、人気のセッションでは立ち見も出る状態。
当日は、私もほとんどの時間、他の参加者と一緒に各セッションに参加させていただき、たくさんの方とアジャイルについてじっくりと考え、対話することができました。
印象に残った言葉はたくさんありましたが、いくつか挙げておきます。

  • 基調講演でジョナサンが話した内容。アジャイルの科学的分析(XP、Scrum、リーンなど)やけにしっくりきた。アジャイルはある程度のレベルを超えると「マインド」を語りがちだが、合理的で腹に落ちる説明がよかった。
  • 岸良さんのお話。変えるのは現場ではなくマネジメント。現場を変えるのはリスクが大きいが、マネジメントを変えるのはリスクが少ない上に、効果が絶大。参加者の方にも、視点を切り替えて考えるきっかけになったと思う。
  • 「DEEP AGILE PEOPLE」では、僕がすごいと思う人が集まって好きな事を話してもらった。とにかく面白すぎた!(聴いてて鳥肌がたった!)アジャイルに真剣に取り組んでいる3人の、何が「すごい」かをたくさんの人に知ってもらえたはず。これがアジャイルだ!
  • アジャイルのあるとき、ないとき」でパネリストだけでなく、参加者からも出た意見。アジャイルの根底には「技術」(プログラミング)に取り組む楽しさがある。プロセスだけにフォーカスしてうまくいかない理由ははっきりした。

そして、一日、話をしていて再認識したこと。

アジャイルに取り組むことの最大の効果は「考える」ことだと思っています。
ラクティスをそのままやるだけでは、絶対うまくいかない。

考えて、開発の内容や、チームにあわせて、自分で適用し、カイゼンを続ける必要がある。
日本の契約体型や基準に当てはめにくい。

考えて、顧客を始めとするステークホルダーを含めてコミュニケーションを深め、より良いものを作るために、全体を巻き込んでいかなければならない。
アジャイルソフトウェア開発の定義の理解自体がどんどん深くなっていく。

考えて、自分の「アジャイル」を持たなければならない。
自分、そして周りの人たちと、ずっと考え続けなければならないと思っています。

アジャイルジャパンは、「アジャイル」をキーワードに、日本のソフトウェア開発に関わる全ての人達に考える”場”を提供できている。


今回、平鍋さんから実行委員長を引き継ぎ、大阪開催が成功したことで、私は2つの仕事ができたと思っています。

大阪という日本のアジャイルの発信地の土台を作れたこと

平日、有料のカンファレンスに250人を超える参加者が、大阪に集まった。
一緒に考える仲間はこれだけたくさんいる。
東京だけじゃない。全国で、このような場を提供できることがわかった。
業界を良くして、日本中に発信していくための土台ができたかもしれない。

これからのアジャイルを新しい世代に伝えていく、きっかけを作れたこと

アジャイルジャパン実行委員会で一番若く、実践経験の少ない私がこうした場を作り、
新しいメンバー、参加者を巻き込めたことは、今後の日本のアジャイルの発展にとって、
とても良いことと確信しています。


今年のアジャイルジャパンが終わってアウトプットがどんどん出てきています。
来年のアジャイルジャパンに向けての活動は始まっているのかもしれない。
この流れをさらに拡げていきたい。

アジャイルジャパン2012で話したことをしっかりと自分に落としこんで実践し、周りを巻き込んでいきたい。
チームをより良くして、良いものを作りたい。業界を良くしたい。

AgileJapan2012実行委員会のみなさま、スポンサー、スタッフ、レポーター、スピーカーのみなさま、そして、参加者のみなさま、心から御礼申し上げます。
ありがとうございました!