100均のスピーカーをMP3プレイヤーに機能拡張する

100均には電池を使った小型電気製品がいくつか並んでます。

LEDランタンやラジオ、ストップウォッチなどいろいろありますが、これらは電子工作の部品取りには重宝することがあります。

今回、100均で買ってきたスピーカーを大音量のMP3プレイヤーに機能拡張することができたのでご紹介したいと思います。

 

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100均スピーカーを機能拡張して作ったMP3プレイヤー

 

 

目次

 

 

 

きっかけ

メロディを流すジュークボックスを作っていて、音楽再生用のダイナミックスピーカーを探していたのですが、100均のスピーカーが使えるのではないかと思い(失敗しても100円だし。)、近所のセリアで一つ買ってきてみました。

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100均(セリア)のスピーカー

 

100均スピーカーの分解

100円でスピーカーとプレイヤー接続用のミニジャックケーブルが埋め込まれています。

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100均スピーカーの分解

スピーカーが張り付いてるフロント部とリアのケースが隙間なくガッチリ接着されていたため、四隅の結合部を壊して分解しました。最終的には、四隅の接合部はネジで接合しました。不要なケーブル等は取り外します。(どこかで使うかもしれないのでとっておきます。)

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100均スピーカーと千石通商で買ってきたスピーカーの比較

 

左が千石通商で買ってきた200円の8Ωスピーカー。

右がセリアのスピーカーを分解したものです。

分解の手間は必要ですが、スペックが合えばスピーカー台としてもお買い得と思います。また、今回のようにサイズに問題なければ、スピーカー以外入っていないスカスカのケースも使えます。

 

 

DFPlayerの準備

 

小型のMP3プレイヤーモジュールとして、DFPlayer miniというのがあります。

 

Aideepen 5個セット Mini MP3プレーヤーDFPlayer WMVデコーダーTFマイクロSDカードUディスク音声ボイス音楽モジュール Arduino UNOに対応

 

2020年2月時点ではAmazonで5個セットで1400円ぐらいなので、1つあたり300円しないぐらいで入手できます。100均スピーカーの底部分に少しスペースに余裕があり、確認したところなんとか収まるようでした。

 

さっそく、DFPlayerをスピーカーに埋め込むべく回路図を検討します。

DFPlayerのサイトにあるマニュアルを確認すると、モジュール単体にスピーカーとスイッチを接続すると再生できるモードがあります。

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DFPlayerの回路図

 

DFPlayerはArduino等に接続してシリアルからいろいろ制御できるモジュールですが、今回はシンプルなMP3プレイヤーを作りますので、このI/O接続のみのモードで作ります。

 

DFPlayerのブレッドボード接続

 

ブレッドボードに接続してみた図がこちら。

 

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DFPlayerのブレッドボード接続

 

DFPlayerで再生するSDカードの準備

DFPlayerで再生するSDカードの中には、

  • 01~99のフォルダを作成
  • 各フォルダ内に001~255のファイル名を持つMP3ファイルを配備

 

サンプルとして、私が準備したファイルは次のように配置されています。

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DFPlayer用SDカードの配置

 

100均スピーカーケースの加工

 

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100均スピーカーケースの加工

スピーカーのケース内にDFPlayerを接続するために、次の点を加工しました。

 

  • DFPlayerを配線するためのユニバーサル基板をスピーカーケース底面の形にあわせて削ってはめ込みました。
  • スピーカーケース裏面のミニジャックケーブルが出てた穴を広げて、電源供給用のUSB microB用コネクタを出しました。
  • スピーカーケース右側面に穴を開けて、電源スイッチ用のトグルスイッチを埋め込み
  • スピーカーケース上部にタクトスイッチ4つを埋め込み。小さいドリルでタクトスイッチ用の足がケース内部に通るような小さいあ穴を、それぞれのスイッチ用に4つずつ開けてはめ込みました。

 

DFPlayer、スイッチの結合

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100均スピーカーケースの加工、基板の組み込み

DFPlayerとスイッチ類をユニバーサル基板を使って結合します。

また、DFPlayerのスピーカー端子に、100均のスピーカーを接続します。

回路はシンプルですが、このレイアウトだと線が長くなりますので、スピーカーに干渉しないように細めの線を使うなどの工夫が必要です。

 

組み込み済み完成図がこちら。

 

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100均スピーカーケースの加工、基板の組み込み

 

 

こんな風に動きます

部品を組み込んだら、USBの電源を接続し、動作を確認します。

  • 一番左のスイッチが一つ前の曲に戻る(長押しでボリュームダウン)
  • 左から2番めのスイッチが次の曲に進む(長押しでボリュームアップ)
  • 左から3番目のスイッチが再生(長押しでリピート再生)
  • 一番右のボタンが停止

 


100均のスピーカーにMP3プレイヤー機能搭載する

 

 

 まとめ

シンプルな機能で使いやすいスピーカー一体型のプレイヤーをローコストで製作することができました。スピーカーさえあれば、MP3再生機能をかんたんに追加することができるので、他の音が出る様々な用途で活用できそうです。