3分間スケッチ
テーマは、「3分間スケッチ」。
スケッチは3分 (光文社新書)という書籍から3分で描写対象を的確にとらえるための「スケッチ」技術のエッセンスを体験し、そのワークを通して気づきを得るという内容でした。
これまで「スケッチ」というものを体系的に取り組んだことが無かったのもあり、描く技術として純粋に関心できることもたくさんあったのですが、今回の最大の成果はチームでスケッチに取り組んだことによる気づきの効果でした。
- 短時間(3分間)でスケッチしようとすると、対象物を集中して観察するので、思いもよらないことに気づく
- 対象物をどのような手順で分析するのかという思考プロセスがわかる
- どこに重点を置いているのかという視点をつかむ
- 自分でも気づかない個性を、他の人が見つけてくれる
スケッチは、自分や周りの人の「個性」をイメージ化するのにはすごくおもしろいワークだと思います。ファシリテーションのツールとして活用する場面も多そうです。
以下、やってきた内容を簡単にご紹介します。
3分間スケッチの基礎
スケッチのワークに取り組む前に、描画対象物を短時間で的確にとらえるための基礎を練習しました。
- スケッチの5つのコツ
- 手前から書く
- 厚みを出す
- 見えないところをイメージする
- 背景を見る
- 肝心なラインを選び出す(描かない部分を選択する)
これをしっかりと理解したうえで、基礎トレーニングに取り組みます。
スケッチは描きたいと思ったときに正確に表現できる最低限の技術が必要です。
具体的には、次のスキル
- 直線を書く
- 四角、丸などの基本図形を書く
- 基本図形の変形(楕円や二重丸)
横線を書く
円を書く
次に楕円。
だんだん平べったくしていく練習も。
初心者にとって、一定に変形させていくのはすごく難しく思います。
このような図形の描き方は、何かをスケッチするときに基本になります。
これを正確にできるようになると、思った通りの絵がパッと描けるようになる。
つまり、スケッチ力が身についていくそうです。
3分間スケッチ
基本を学んだら、早速3分間スケッチ。
ワークは、4人一組のグループに分かれて行います。
3分間スケッチ(1)
自分のお気に入りの持ち物を描く。
僕は、たまたま持ってたお菓子の袋の口をはさむクリップを描いてみました。
描いた後は、同じグループの人たちと見せ合って、自己紹介&アイスブレイクします。
3分間スケッチ(2)
グループで同じものを3分スケッチします。
私のグループの題材は、「飲むフルーチェ」でした。
袋状の決まった形を持たない容器だったので、形状や質感を正確に描くのが難しかったです。また、描画対象を見る角度も違っていたので、同じグループ内でも表現方法や、重点的に描くポイントが大きく異なっていたのが印象的です。
3分間で様々な描き方やポイントを捕らえることができました。
3分間スケッチ(3)
先ほどと同じ題材で行います。ただし、今度は紙に書きません。
「おてもと」(紙袋入り)が1本ずつ配られ、そこに書くことになります。
私は箸袋の「おてもと」って書いてある下の部分に書きました。
スペースが狭くなった分、書ける量が限定され時間が余ります。また、無駄な線も書けなくなるので、情報の選定に悩みました。
他の人と見比べると、箸袋を分解して広く使っている人、お箸に書いてしまった人もいました。特殊な状況で、3分スケッチをどのように捕らえるかという、思考の角度を変えることができました。
ふりかえり
グループでふりかえり。
- スケッチは才能ではなく、正しく書くという技術である。
- いくつかの基本テクニックを練習し身につければ誰でもできる
- スケッチすることで、正しく観る、全体を観る、細部を観る。
- 人によって、スケッチのプロセスが大きく違う
- 細部から書き始め、全体に展開していく人
- 全体を捉えてから、徐々に細部に移っていく人
- さらに、描写対象のポイントの捕らえ方も異なる。
- 思考パターンや、自分のクセを知ることができる。
- 3分しかないので、どこを省略するかを考える
- それらを共有することで、思いもよらない発見に出会うことができる。
などの意見がでました。
これらをまとめてグループでは次のひとことでまとめてみました。
スケッチは「個性」を描く
思考プロセスや、どこをポイントと思うのかという視点といった「個性」は自分では気づかないものも多いのです。スケッチをすることで、それらをイメージ化して、いろいろな発見を得ることができました。
このスケッチの成果は、ファシリテーションで活用する場面が多そうに思います。非常に可能性のある、おもしろいワークでした。