できる大人の”一筆添える”技術

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できる大人の"一筆添える"技術

昨年、手書きのすばらしさを実感したことがありました。
あるIT系のフォーラムで講演の依頼を受けたきっかけで、お会いする機会のあった方です。初めてお会いした際には、名刺交換して少しお話しさせていただいた程度でした。もちろん、そのときも良い印象を受けたのですが、そのわずか2日後、御礼のはがきが届きました。きれいな葉書に、手書きでとてもていねいに、御礼が綴られていました。これほど気持ちのこもった御礼をいただいた経験もほとんど無かったのでうれしかったですし、また、名刺交換してすぐに投函しないとその日に届くことはないですので、そのきめ細かい心遣いにも感動しました。いただいた手紙はずっと残してありますし、忘れることもありません。また是非お会いしたいな、とも思いました。(実際、その機会は実現しました!)

このときに、手書きの凄さを知り、私もこのような御礼の手紙が書けたらいいなあと思ってはいましたが、なかなか実践できずにいました。
気づけば、メールやSkypeSNSのメッセージ機能など、コミュニケーション手段にどっぷり浸かってしまい、手紙を書く作法やタイミングをつかめずにいました。

そんな手書きへの憧れをどこかで持っていた私にとって、本書は最適な入門書でした。
STEP-1は、日ごろのビジネスシーンにおいて、書類を提出したり、CD-ROMを渡したりする機会があればできる「一筆箋」の用意と、その書き方です。

もっとも簡単な一筆箋の文章として紹介されているのがこれ。

株式会社△△△△△△ 経理部 ○○○○○○様
いつもお世話になり、ありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いいたします。

            株式会社 ×××××× 総務部 ◇◇◇◇◇◇

数行のメッセージを書き込むのに適した「一筆箋」だと、簡単な挨拶だけで、心のこもったメッセージになります。
実際、何気ない書類に、この一枚が添えられているだけで印象は数倍違うでしょう。

ちょっとした場面で、ちょっとした手書きを加えるテクニックと、簡単な挨拶文・テンプレートを知っているだけで、ちょっとは「できる」ビジネスマンになれる気がします。
(特に、私のようなエンジニアの職場では頭ひとつ抜け出してしまいそう。)

続いて、

  • STEP-2 「ハガキ」を書く
  • STEP-3 「記念切手」で印象を高める
  • STEP-4 「筆記具」で気持ちを伝える
  • STEP-5 もらってうれしい手紙の「書き方のコツ」

ハガキの選び方、おすすめのお店から敬語の使い方の注意点まで。

「筆記具」で紹介されていた、入門用万年筆はお手ごろでお洒落なのでちょっとほしくなりました。

ペリカン 万年筆 A ブルー ペリカーノJr 正規輸入品

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インターネットによるコミュニケーションはすごく便利です。
しかし、これらが普及することによって、手書きは価値・魅力を増しているような気がします。
今だからこそ、一筆添えることは、「技術」といえるでしょう。

手書きを自分の技術にする第一歩として、おすすめの一冊です。