PFPワークショップ関西#13


PFPワークショップ#13に行ってきました。


テーマは「ファシリテーションと合意形成」。
これまでのPFPワークショップでは、開発プロジェクトでの管理や推進手法といった、プラクティスの共有をテーマに掲げることが多かったのですが、今回はPFの要素のひとつである「ファシリテーション」に着目した題材になっています。

合意形成を体感するという非常に難易度の高いテーマにも関わらず、とりさんのワーク設定が実にうまく機能し、議論自体が楽しく進みました。私の参加したグループでは、プロジェクトでの「ゴール・マッピング」という考え方など、ワークの中でプロジェクトが楽しくなる新しい視点も見つけることができました。他の参加者の皆様からもたくさんのフィードバックが得られる充実したイベントになりました。
あっしぃさんの「PFとは」もチーム形成の基本を再確認させてくれる、示唆に富むお話でした。

簡単に今回得たポイントをまとめておきます。

PFとは(芦田さん)


  • 実は、「ファシリテーション」はビジネスの基本。コミュニケーションは自然に行われるのが最適で、「ファシリテーション」を表に出す必要は無い。
    • モチベーションをあげるのは、人それぞれの特性による。
    • ★そこに、楽しく思える要素を入れるのが私にとってのPF。
      • 笑うと元気になる
      • 話すと気づく
      • フォローは大事
      • 人は動くものに集中する。
      • ネタを共有する
  • 効果的な日ごろの取り組み
    • 話す機会を増やす
    • 特徴をつかむ
    • ネタを提供する
      • 「失敗はネタ」
      • 恥ずかしいのではない。「おいしい」の間違い。
  • PFは「酸素」のようなもの。

グループワーク「ファシリテーションと合意形成」

3つのグループワークを通して、ファシリテーションの効果を体験します。

グループワーク1
  1. グループの名前を決める
  2. ファシリテーションがプロジェクトに与える効果」って何?

考えようによっては非常に深いテーマで、決まった結論はありません。やってみて感じたのですが、自由度が高いテーマな分、そのグループの求めているものが焙り出されます。
私のグループでは、対象を「会議」「プロジェクト」の2点に絞り、そこからファシリテーションで得られる効果をまとめました。


  • 場の雰囲気が良くなる
  • ゴールが共有できる
    • ベクトルが合う。
      • 話の中で方向が合う。
      • 事前に方向が見えてくる
  • 充実感
    • テンポやプロセスが機能する。
グループワーク2
  1. メンバーに「役」をつける
  2. ポストイットで名札を作って貼る

ワーク2では、グループのメンバーに役柄が与えられます。たとえば、「学校の先生」「チンピラ」「ちょい悪おやじ」とか。
いろんな役を演じることによって、いつもとは違った視点で合意形成を体験することができます。

私のグループでは、次のような役の人で議論が始まりました。

  • 2年3組の担任(小学校の先生)
  • 女性ライダー
  • エステティシャン
  • 詩吟の師範
  • 雑学マニア

役になりきって、次の議題について会議を行います。

「6%のCO2を削減するのに最も効果的な方法は?」

慣れない役になりきって意見をだしたり、場を作ったりしないといけないので、すごくやりづらいワークになります。結局、ワークを進めたのはファシリテータである「2年3組の担任」の先生役の方。メンバーの構成を自覚し、自然とチームとしてどう進めるかが認識されていくのを感じることができます。

このワークは、会社でも役職を入れ替えて会議してみたりすることで、お互いの立場を理解したりするのに役立ちそうです。

グループワーク3

最後は、グループワーク2で決めた役になりきって、もう一度最初のテーマ「ファシリテーションがプロジェクトに与える効果」について話し合います。

私のグループでは、小学校の先生役のファシリテータがチームを作ったこともあり、「小学校低学年のクラス」視点で、ファシリテーションの効果について考えることができました。すっかり忘れていた視点ですが、学校に行くのが楽しかった頃に思考を戻すと、発見がたくさんありました。

  • ゴールを共有する効果的な手法の数々
    • ゴール寄せ書き
      • ゴールを中心に書き、その周りに、メンバーそれぞれのゴール(ブレイクダウンしたもの)を寄せ書きする。プロジェクトのゴールと、それに対するメンバーの意識を共有でき、ベクトルがあう。これは使えそう!
    • ゴール書道コンテスト
      • プロジェクト開始時に全員でゴールを書初めし、掲示する。ゴールを強烈に共有。
  • 場の雰囲気を作る
    • お菓子を置く
    • あだ名で呼んでみる(名前付け)
      • メンバーをあだ名で呼ぶ。他にも、物や場所にも愛称をつけると、会議やプロジェクトの活動が楽しいものになる。


学校でやってたさまざまなプラクティスには、ヒントがたくさんあります!


まとめ

合意する”Consensus”は、Con-sensusとすると、「共に感じる」という成り立ちを読み取れます。今回のワークを通じて、合意形成を行ううえでの視点のもちかたを、実体験で知ることができました。実際のプロジェクトで活用できそうなプラクティスもたくさん見つかり、非常に充実したイベントでした。


企画していただいた とりさん、全体進行していただいた かねごんさんをはじめ、スタッフのみなさまお疲れ様でした!
そして、GW明けからたくさん参加してくださったみなさま、ありがとうございました!